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PJの長い一日〜『ホビット』撮影最終日のレポートから(前編)

2013年07月28日 10:49

7月26日、5月下旬から始まった『ホビット』の10週間に及んだ追加撮影は無事終了の運びとなりました。
この慌ただしい最終日を、ピーター・ジャクソン監督は、早朝目覚めてまだ床にあるうちから、スタジオでの打ち上げを終えて深夜に帰宅するまで、facebookを通じてリアルタイムでレポートしてくれました。

残された時間で、映画に必要な全てを撮り終えることが出来るかどうか、プレッシャーで眠れなかった夜の話から、最終ショットを終えた感動の叫びまで、まるでその場にいるように、監督やクルー、そしてキャストたちの思いを共有出来る時代がくるとは、LotR3部作の頃には思いもしませんでしたね。

若干長いですが、この日ジャクソン監督が発信したレポートを順番にまとめてみました。リアルタイムで読むことが適わなかった皆さまも、最終日の様子を追体験して頂けたら幸いです(意訳・誤訳はご寛恕の程)。


■7月26日 6:30am -------------------------------------------

撮影の最終日。

ブログを始めて以来、一日を通して紹介するような試みを何かやってみたいと思っていたんだ(勿論、残り19の質問に答える義務があるのは忘れていないよ!(*1))ぼくたちが通常どんなふうに行動しているかを全て感じてもらうための、撮影日をリアルタイムで紹介するブログだ。

撮影の最終日であることを想定すれば、今日は必ずしも“通常の”日ではないのだけれど、今日やらなければ、もう決してやる機会はないだろうからね!

それじゃあ、始めようか。日中は出来るだけ沢山更新するつもりだよ。少なくとも写真は即行でね。文章はどのくらい忙しくなるかによるけれど。

現在、ここウエリントンは朝の6時30分。ぼくはベッドにいて、起きようとしているところだ!どうしたら必要な全てのショットを撮り終えられるだろうかと、撮影についてすごくストレスを感じていたので、あまり眠れなかったんだ。心の中でリハーサルし続けていたんだよ。

今日は第3部の場面を撮影する。君たちが2014年12月に目にする筈のものだが、正直に見せようと思っているよ。だけど、ネタばれはなしだ。

ぼくは撮影テントの暗闇の中に横たわって、何度も何度も戦いのリハーサルを見た。
スタンド・コーディネーターのグレン ・ボスウェルは、この週末に俳優たちと働いたんだ。そして、エキサイティングでショッキングな瞬間のアクションをいくつかデザインしたんだよ。彼がそのとき撮影したのを、iPadの“ウィングナットTV”と呼んでいるアプリケーションの中に入れてもっているんだ。
それは膨大な素材を使用したカタログをインターネットで使用し、毎日の更新を可能にするプログラムだ。そこには編集前の下見用フィルム、編集されたフィルム、プレビズ(*実際に映画を制作する前に、予想される結果をCG等を使って視覚化された映像)、音楽の全てと、更にもっと沢山のものが含まれている。ぼくは戦いの映像を見て、今日撮影するアングルを考えるんだ。やらなくてはならないことが山のようにある。

撮影は午前8時30分に始まって、午後7時30分に終了する予定だけれど、きっと遅くまでかかると思うね。長い一日を働くときはいつも、クルーの気持ちを和らげようと、「ジム(ジェームズ)・キャメロンが『アバター2』と『アバター3』を撮るときのために」って冗談を言うんだが…う〜ん、それは本当にジョークにならないね。

とにかく今日は、ちょくちょく更新していこうと思う。

【注1】PJは『ホビット』に関する20の質問に答えるとして、2011年5月3にfacebookを通してファンの質問を公募しましたが、最初の第1問を同年5月30日に回答したきり更新を中断しています。ご多忙だったのでしょう…。

■7月26日 7:00am -------------------------------------------

  ウエリントンの夜明け---寝室からの眺め。ちょうど午前7時をまわったところ。
着ているものを放り投げて、仕事に行くことを考える。
ぼくには、撮影するときには毎日殆ど同じような服を着るという奇妙な迷信めいた習慣がある。
去年コミコンに行った際に2着のシャツを買った。白いのを1着と、青いのを1着。

今日は白の日の気分。

■7月26日 8:20am -------------------------------------------

午前8時20分。家を出る。
ミスター・スマッジは、ぼくに行ってらっしゃいを言うために階段で待っている。彼は毎日そうする。
そして夜はぼくを出迎えようと、いつもドアの側で待っている。
 

■7月26日 8:20am
(*2) -------------------------------------------

スタジオに到着。

午前8時20分。一日の中で、この時間は好きじゃない。車でスタジオまでいくとき、いつもは緊張しているんだが、今日はまるで威圧されるような感じがするね。
100人の人間が、最初のショットは何か、ぼくがどんなレンズを使いたがっているか、それから、このシーンが終わるまでにどれだけカメラ位置の変更(set-ups)が必要になるかを知ろうと、ぼくを見ようとするんだ。
計画がある時もあれば、時には即興でやることもある。それは俳優とのリハーサルを助けて、アイデアが(うまくいけば良いものが)動き始める。

場が和やかになって撮影が始まれば、それはいつでも、より良いものとなるんだ。

良い知らせがあるとしたら、スタジオが家から5分で、信号もラッシュアワーもないってことだね。


【注2】家を出る前も午前8時20分となっていますが、PJが投稿した記事のままにしています。

■7月26日 9:15am -------------------------------------------

最初のショットの撮影準備。

午前9時15分、すぐに撮影を始めなくちゃいけない。16ミリレンズの2台のカメラ両方を使ってだ。
Kステージ(*ストーン・ストリート・スタジオで最大の防音スタジオ)の大部分を占めている巨大なセットで行う、戦いの非常に大規模なワイドショットだ。これはハードな撮影になりそうだね。ネタばれなしで写真をUPするよ。全力を尽くそう!
ビデオブログのカメラも入っているから、結局は今日行ったことの詳細は見られるよ。だけど、2015年末頃にリリースされる第3部のエクステンデッド・カットが出る直前になるだろうね!

今日はサブユニット(*3)も撮影しているんだ。監督はクリスチャン ・リヴァーズだよ。

最初の2時間は、本当なら昨日のうちに終了していた筈のものを撮ることに費やされそうなので、やっかいなスタートだと言わざるを得ないね。複雑なアクションのせいで、昨夜遅くまで働いても終わらなかったんだ。

実質的な問題は、ぼくたち(メインユニット)はFステージで撮影する筈だったということだ。そしてサブユニットは一日Kステージを使う予定になっていた。だけど昨日の残りを終わらせるのに2時間必要なんだ。なるべく早くFステージに移るつもりで、今日の作業を続けるつもりだ。ぼくたちがKステージでの撮影を終えて彼らをここに入れるまで、サブユニットにはグリーンスクリーンを撮影しているAステージに留まることを強制したよ。

あまりにも沢山の細事!だけどこれが通常対処している類のことなんだ。急いでフェイスブック・フィルターを書いてしまわないと。そうすればワーナー・ブラザーズは、昨日終わらなかったことを読めないからね!

やあ、これを書くのに随分時間を費やしてしまったよ。撮影を開始しなくては!!!

写真について:ああ、ぼくたちは本当にこれを撮影したんだよ。どうか説明を求めないでくれ!WBフィルターを起動させるんだ!ありがとう、ハンナとダスティ!

【注3】原文はsplinter unit。アンディ・サーキスが監督していた第2ユニット(second unit)のように、メインユニットとは別のシーンを撮影するような独立した大ユニットではなく、補助的な撮影を行うごく小さな撮影班のこと。通常はカメラマンと数人の技術クルーとで構成されています。

■7月26日 10:30am -------------------------------------------

ドワーリン。

午前10時30分、Aステージに急いで、グレアムとクリスチャンに、何故計画通りの美しく高価なセットではなく、グリーンスクリーンを背にしてドワーリンの戦いを撮らなくてはならないかについて説明を試みる。
グレアムは彼の斧を研ぎ始めたので、ぼくのフェイスブックの最新記事を読むようにとだけ言って逃げ出した。

今朝はこれまでのところ、Kステージで3つのショットを撮った。もう2ショットばかり撮影したら、Fステージに移るつもりだ。

上手くいけば昼休みの前に!長い夜になりそうだ…。

■7月26日 12:00pm -------------------------------------------

ハワード・ショアとの音楽スポッティング(*4)

正午。たった今、KステージからFステージへ移動した。そしてぼくは、(『ホビット』シリーズの作曲家の)ハワード・ショアと音楽をスポットするチャンスを得たんだ。彼はニューヨークで、第2部のスコアを書くのに忙しくしている。

“スポッティング”には、ハワードと編集されたシーンについて徹底的に話し合って、音楽がどこで始まってどこで終わらなければいけないか、どんな雰囲気が必要なのか、使用するテーマや強調の瞬間など、作曲の最初のパスをするために求められる全てを見つけ出すことが必要なんだ。そういった類のものだね。
スケジュール通りに行うためには、ハワードには毎週10分のフッテージ(*編集途中の映像素材)が必要だが、今週彼に送ることが出来るのはたった3分半しかない。幸いにも、彼はそのことについてとても温厚だ。前にも1~2回あったんだ!

来週にはフルタイムで編集室に戻っているから、ハワードは素材に圧倒されるだろうね!

第2部のスコアは素晴らしくなるよ。昨年は少し欲求不満だったんだ。何故なら、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのテーマ---ホビット庄や裂け谷、ガラドリエル、ゴラム、そして指輪の---を沢山再び取り上げなくてはならなかったからだ。ぼくたちがそうしたのは、『ホビット』3部作とLotR部作とで、デザインや衣装、物語や音楽において、大きな調和を持たせたかったからなんだ。つまり、『思いがけない冒険』は、以前行った内容に応答する必要があったんだ。

だけど今回は、指輪に関する2つの瞬間は別として、全く新しものなんだ。ビヨルン、闇の森と森の王国、湖の町、バルド、そしてスマウグ。それら全てがハワードに真新しい曲を書く機会を与えているから、彼は大成功を収めるよ!

今や昨日の仕事が終了したから、今日のシーンに取りかかることが出来るよ!

キャロ(*キャロリン・カニンガム:第1助監督でプロデューサー)に叱られる前に急いでセットへ戻ったほうが良さそうだ!これ以上お小言を頂戴する前にね…。


【注4】spotting:編集完了前の“粗編”を見た段階で、作曲家が監督やプロデューサーと、必要になる音楽やそのテーマ、また、それぞれの曲の長さなどを打ち合わせする作業のこと。
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コメント

  1. あんじぇ | URL | LUUrCMQg

    Re:PJの長い一日〜『ホビット』撮影最終日のレポートから(前編)

    周芳さん、こんばんは。

    周芳さんはひょっとして、幻のエント女の末裔ではないですか…!? 木の鬚さんにお知らせしなくては。それはさておき…、

    PJ、ご自分でも承知していらっしゃるようですから、あえてツッコミませんが……
    「何故最終日にわざわざこれをした」w
    お忙しいのにファンサービスも忘れない、そんなPJには、ついつい絆されちゃいますよね^^

    続き遅くなっていてすみません。忙しくて前の日殆ど寝ていなかったのに、ついついPJの勢いに飲まれて、連続徹夜で前半書いちゃったものですから、気力体力共に燃料切れを起こしました。
    只今、絶賛後半仕上げ中です。もうしばらくお待ち下さいませ〜!

  2. 周芳 | URL | KnHW2vQ.

    Re:PJの長い一日〜『ホビット』撮影最終日のレポートから(前編)

    Angelaさんへ

    エントもどきの周芳がホムフム言ってます(笑)

    PJのサービスは、全くもって不可思議な気持ちになります。
    こんだけ苦心して作ってるんだから少々のこたぁ大目に見ようか…という風な。
    しかし!

    しかし、だな…。

    と、揺れるこだわりゴコロ。


    ともあれ、続きをよろしくお願いいたしまする~m(__)m

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