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ヴィゴは『ホビット』出演を「断った」のか?〜アラゴルン出演の可能性を考える

2013年06月02日 04:31

5月29日(日本時間30日)、国内外の複数の映画情報サイトが、「ヴィゴ・モーテンセンが、『ホビット』への出演を断った」と報じました。

その内容は、ムービースター誌がツイートした通り、“撮影に入る前に、プロデューサーから興味があるかどうかを訊かれたものの、ヴィゴは「アラゴルンは『ホビットの冒険』には登場しない。『指輪物語』との間には60年の開きがあるんだ」と答え、『ホビット』への出演を断った”というもの。
Twitterを通じてあっという間に日本のファンの間にも伝わり、落胆の呟きをあちこちで目にすることとなりました。

がしかし、ヴィゴは本当に『ホビット』への出演依頼を、けんもほろろに「断った」のでしょうか。
これらの記事の大元となった、The Guardianの5月28日付のインタビュー記事を見直してみました。拙い訳ですがご覧下さい。

ピーター・ジャクソンの映画『ホビット』では、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに出演した何人かは、彼らの役を再演しました。彼は出演を依頼されたのでしょうか?

ヴィゴ「いいや。撮影に入る前の2008年に、プロデューサーの1人がぼくに(出演に対しての)興味があるかどうかを尋ねたんだ。ぼくはこう言ったよ。“知ってるよね。アラゴルンは『ホビットの冒険』には登場しないんだ。原作との間には60年のギャップがあるんだよ”」

では、彼はもう新しい映画を観たのでしょうか?いいえ(まだのようです)。

ヴィゴ「ぼくは再びあの世界を見ること、そしてピーター・ジャクソンが成したこと---特殊効果の進歩や、前回とは異なる撮影方法をどのように生かしたか---を見ることに興味をもっているんだ。それは映像面の技能を高めただろうからね。音響だってそうだ。それに、分量としては比較的薄い『ホビットの冒険』の原作から、どのように3本の映画を制作したのかを見るのが楽しみなんだ。ジャクソンは才気ある男だからね、本当に面白いものを作ったと確信しているよ。
1999年から2003年までのニュージーランドでの仕事は、プロフェッショナルな面でも、また個人的にも、今も大切な経験なんだ。ぼくは時々、動物と人間両方の友人を訪ねるためにニュージーランドへ戻っているんだ。素晴らしい国だよ」

これを読んで分かる通り、ヴィゴの口からは決して「断った」とは言っていません。そして、殆どの派生記事では、赤フォントの部分がオミットされています。
つまり、このインタビューが行われた時点では、断るも何も、彼は正式な出演依頼を受けていなかったものと思われます。第一、ヴィゴが観るのを楽しみにしているPJの「新しい映画」とは、どの作品のことを指すのでしょうか?
第2部『スマウグの荒らし場』や第3部『ゆきて帰りし物語』のことならば、PJ本人だって「まだ観ていない」と言うでしょう。第1部『思いがけない冒険』については、ヴィゴは世界同時公開日の12月14日に(アルゼンチンの劇場で、ご贔屓サッカーチームのユニホームを着て!)鑑賞したことが報告されています(Source)。
恐らく、この記事の『ホビット』に関する部分のインタビューは、第1部公開の少し前、『偽りの人生』が出品された昨年10月末のロンドン映画祭の頃に行われたものと思われます。

そもそも、2007年末に『ホビット』映画化決定の発表があってからというもの、ヴィゴのみならずLotR3部作の主だった出演者たちは、折りに触れ『ホビット』への帰還をマスコミに訊かれ続けてきました。
ヴィゴは『ホビット』への出演をどう考えているのでしょう。本当に出演を望んでいないのでしょうか。
最近の記事から遡って、もう一度検証してみることにしました。

こちらは、今年4月末に発売されたTotal Film6月号に掲載されたインタビューの一部です。

「もう一度アラゴルンを演じるかって?勿論、そうすることが道理にかなったことだと思えばね。
アラゴルンは『ホビットの冒険』の原作には登場しないんだ。だけど、追補篇等も使って仕事をしているのなら、彼ら(PJや脚本チーム)は『ホビット』と『ロード・オブ・ザ・リング』の60年の間隙を埋めるつもりでいるかもしれないね。でも、仕事を引き受けるならば、今頃は(依頼の話を)聞いている筈だと思うんだ。
だけど、PJは再撮影をすることで有名だから、どう転ぶかは分からないよ!」

続いてこちらは、2011年11月にMovies.comによって行われたインタビューから、同様に『ホビット』について質問された部分だけを抜粋しています。

Movies.com「ピーター・ジャクソンは『ホビット』の映画について、何らかの役割で中つ国に帰還するよう依頼しましたか?」

ヴィゴ「ある時、プロデューサーから、するつもりがあるかどうか訊かれたんだ。そこでぼくは、もしアラゴルンが(『ホビット』と『ロード・オブ・ザ・リング』の)橋渡し部分の物語に登場するならねと言ったよ。何故なら『ホビットの冒険』に彼は登場しないからだ。
他の誰かがその役をやるのを見るくらいなら、むしろ自分が演じたい。だけど、ぼくはこれまで依頼されなかったし、彼らは既に映画を撮っているよね。土壇場で出演プランがあるというのでなければ、ぼくは映画の中にいないし、(出演させるつもりがあれば)今頃は耳にしていると思うんだ。
オーランド・ブルームとケイト・ブランシェットは撮影したようだね。彼らはエルフだから、早急に変わったりしないからね。知っての通り、アラゴルンは半分はエルフ(*1)で、200年かそれ以上生きるから“橋渡し”部分に登場する可能性はある。だけど、それは起こりそうにないと思わざるを得ないね。
アラゴルン役はぼくの人生の重要な期間だった。LotR3部作が大成功をおさめ、沢山の新しい好機を与えてくれたことを、ぼくは常に感謝しているんだ」
(*1:アラゴルンは所謂“半エルフ”ではありませんが、エルロンド卿の兄弟でありヌーメノール王家の最初の王となったエルロスを通じてエルフの血が流れています。この記事ではヴィゴは、“Aragorn is half elf”と言っています)

そして更なる駄目押し。こちらは今から4年半前(*2)の記事です。
まだ撮影のGOサインも出ておらず、ギレルモ・デル・トロ監督の下、制作準備段階が進んでいた頃のAint it Cool Newsでのインタビューからです。
(*2:リンク先の記事の日付は2009年5月になっていますが、これは『ザ・ロード』と『アパルーサの決闘』のインタビューを加えて再編集された為です。『ホビット』については、2008年10月に行なわれたインタビューを同年12月3日に初掲載しています)

AICN「ピーター・ジャクソンは、『ホビット』への参加についてはまだ連絡していないと思うけど、映画の中に居場所があることを望んでいるかい?」

ヴィゴ「う〜ん…原作通りなら、最初の映画にはぼくの出番はないよね。2番目の映画なら(*3)、物語を面白くする上でも、興行収入上の理由でも、監督たちはぼくの出番を考えていると思うんだ。彼らは合法的に使用する権利がある『指輪物語』の追補篇を使用するだろうね。『シルマリルの物語』から望むもの全てを使用する権利があるとは思えないから。(〜中略〜)
皆沢山のことを訊きたがる。そしてぼくは言うんだ、はっきりとね。“ぼくのところには誰も(依頼に)きていない”ってね。でも、監督たちのすることを、彼らの目から見て正しいと思っているならば、ぼくは少しも驚かないと思う。勿論、オリジナルの映画でアラゴルン役を演じた俳優として、条件が同じならば、他の役者がそれをするのを見るよりはこの仕事をやり遂げたいと思っているよ」
(*3:当時『ホビット』は2部作の予定で制作が進行しており、第1部が『ホビットの冒険』の原作部分を、第2部が『ホビットの冒険』と『指輪物語』のおよそ60年間の間隙を埋める“橋渡し”的な物語となる予定でした)

如何でしょうか。ここで紹介したインタビューだけでも、ヴィゴが『ホビット』出演についてマスコミから問われたときの回答は首尾一貫していることが分かると思います。

  • 大前提として、アラゴルンは『ホビットの冒険』の原作には登場しない。
  • その上で、追補篇等で拡張された脚本にアラゴルンの登場シーンがあり、監督からの依頼があれば出演したい。
  • むしろ、他の俳優にアラゴルン役を渡したくないとさえ思っている。
『ホビット』映画化決定報道から5年半の間、彼が言い続けているのは、乱暴に言ってしまえば、基本これだけだったりします。記憶力の悪い管理人などは、ともするとデジャヴで記事の新旧が分からなくなるくらい/^^; ヴィゴの回答に揺らぎはないのです。
今回の騒ぎの発端となったThe Guardianの記事も、たまたま部分だけが一人歩きしましたが、彼のインタビュー記事を読んできた者にとっては、いつもと特別違うことを話したようには感じられませんでした。

では、結論として、ヴィゴ・モーテンセンの『ホビット』出演は有り得るのかでしょうか?

現時点でピーター・ジャクソン監督からなんの依頼も受けていないというのが本当ならば、彼のファンには残念な話ですが、可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。
しかし、ヴィゴの言う通り、PJは最後まで決して手を抜かず、必要とあらば追加撮影や撮り直しをすることで有名です。また、先月半ば過ぎから始まった第4ブロックの撮影は、ブリー村のセットから始まったという情報もあります。
ブリー村でのどんなエピソードが撮られたのかは分かりませんが、第3部『ゆきて帰りし物語』のエピローグとして、『ロード・オブ・ザ・リング』に至る60年間の、所謂“橋渡し”部分ではないかと推理するファンもいます。

3部作となった『ホビット』シリーズの構成を考えるとき、第2部『スマウグの荒らし場』の物語のキーとなるのがタイトル通りスマウグであるならば、最大のクライマックスは、エスガロス炎上とドラゴンの死であるように思います。
それでは、完結編である『ゆきて帰りし物語』はどんな物語となるのでしょうか?仮に白の会議によるドル・グルドゥア包囲が第3部に入るとしても、それと五軍の合戦だけで3時間近いボリュームが埋まるとも思われません。だとしたら、第3部の終盤には、映画化発表当初計画されていた“橋渡し”物語が描かれることは大いにあると思うのです。そこにヴィゴ扮するアラゴルン登場の可能性を見出すことが出来るかもしれません。

あくまでも希望的観測に過ぎない小さな小さな可能性ではありますが、ヴィゴが出演を「断っていない」以上、映画の構成によっては、ひょっとしたら再び中つ国に彼の姿を見るチャンスがあるかもしれませんね。
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